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"そこには, いつかの残り香." Sys. T. Miyatake (2023-2025)

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[with audio] #100

【音声配信】クリエイターと著作権(文化の発展と自由)【スピンオフ・第2弾】

キーワード: オマージュ,コラージュ,シミュラークル(↓ノート),自由な制作と権利の行使,類似性と依拠性,...

再生時間: 約 45 分 ・ 再生料金: 無料(サイト共通)

今回は一貫して「著作権をクリエイターがどう考えるか」というテーマで語りました!
現代の消費社会と権利・自由の関係に関心のある方,抽象的な思考が好きな方,クリエイター活動をされている方には特に興味を持っていただける内容かと思われます.「オマージュ・コラージュ」「ロック音楽家が憧れるバンドから受けた影響と類似の正当性」「ヒップホップ文化でのサンプリングやトラック制作スタイルの普及と浸透」「一般人による人気キャラの画像投稿とそれに対する企業側の訴訟があった過去,そして現在の柔軟な対応への変化」「インターネットミームやMADなどでの権利侵害は文化としてどこまで容認されるのだろうか」「手塚先生の漫画にあるイギリスのイラストレータ作品の模倣」の例などを交えて考えます.
時間が短いのでそれぞれを深掘りしていませんが,ざっと「クリエイターは懸念する問題かも?」と思われるこうした「権利と自由」を「消費文化と現代社会」に絡めながら展開しています!
ぜひ,みなさんもあれこれ思考しながらお聴きいただけると話者は嬉しく思います!

それでは,お楽しみください!


ファイル:
"【音声配信】クリエイターと著作権(文化の発展と自由)【スピンオフ・第2弾】 - Sys. T. Miyatake (Apr 01, 2025)" Talk Audio

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考察・補足ノート

シミュラークルについて(音声公開の同日に執筆)

今回のテーマとはそこまで関係がありませんでしたが,皆さんにとっても興味がある概念かもしれませんので,学んだことから少しだけ説明を試みます.

古代ギリシアの哲人プラトンは存在論の術語(専門語,テクニカル・タームとも)として「イデア」を主張し,その定義として彼は「経験される様々な出来事をいずれもそれたらしめている同一の本質」としました(時期によって微妙に用法が異なる).
プラトンはイデアを「真の実在」と見做し主張しました(イデアの客観性は特に近代以降否認される傾向にあります). そうすると現実世界で認識する対象というのはイデアの「コピー(模倣,写し)」であるということになりますが,「オリジナル(イデア,原本) vs. コピー」と二項対立で考える限りはコピーはオリジナルの二次的な派生物でしかないことになりますよね. でも,たとえば架空の物語はオリジナル(実際に人間が経験する現実の人生)を発想の源にして生み出されたコピー(架空のドラマ)でありますが,そのコピーがオリジナルにまで影響を及ぼすこともありますよね. それが「架空の物語が実際の人生に影響を及ぼす」ケースです.たとえばある人が "シンデレラを鑑賞して「こんな風になりたい」として未来を描き,幸せを信じながら,努力をする".フィクションや御伽噺であることには変わりないですが,それが現実に影響を及ぼしている例です.
これは単なる二次派生物ではないと言えます.

20世紀フランスの哲学者ボードリヤールはプラトンの「イデアに劣る模倣」を,さらに模倣するものとして否定的に扱われた「シミュラークル」を単なる模倣の模倣というわけではなく,現実の記号化の操作であるとしました.
ものははじめ自然に従って模造され,産業革命以後は機械的に大量生産され(この時期はオリジナルとコピーの価値が等価になる),現代はコンピュータによってバイナリ的な処理でデータの記号的「差異」から生み出されているとします.
こうした時代の進行に伴う価値法則の変動に対応しながらシミュラークルは発展していると考えます.
特に現代の「シミュレーションのシミュラークル」段階では因果を問題にせず,価値は全面的相対性から決まる記号となり,現実自体はシミュレーションとして消滅していく時代を我々は生きているということになります.

筆者のおもいと思考テーマ

このようにシミュラークルの考えはやはり興味深いので,これから学びたいと思います.
デジタル化された社会で,どこか閉塞感を感じたり,孤独感や寂しさに囚われる傾向にあるとされる現代人は,一体どのようにして現実を取り戻すのでしょうか?
以前触れたベンヤミン (1892-1940) と比べ,ボードリヤール (1929-2007) の時代は新しいので,内容の鮮度としてより現代に当てはめやすいように思いました(もちろんベンヤミンの思想は今も変わらずフレッシュではありますが,新しい思想がより昨今の時世に当てはめやすい利便性を感じるということです).
複製され,デジタル化され,ものの価値は一体どこにあるのでしょうか?この時代を生きる我々は,どのように現実を認めるのでしょうか?
ずっと考えたいテーマですよね.これからも取り組みます.


フィードバックご送信お待ちしております

今回の内容に関する貴重なご意見・ご感想をお聴かせくださると,とても助かります...!ご協力いただける方は是非 筆者宛にご連絡 お願いいたします...!

以上になります.今回もご清聴ありがとうございました!

[ Sys. T. Miyatake, (Apr 01, 2025. Last modified: Jul 02, 2025.;) ]

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